2008年04月25日

「つくられた」商材としての価値 〜スーパーセブンのその後〜 E

今回は「スーパーセブン」として販売されている天然石が、特定地域からしか採掘されないような希少性の高い天然石ではない、と私が主張する理由や、スーパーセブンに含まれているとされる内包物がどのようなものであるかについて記事にさせて頂きます。



■スーパーセブンは希少石?

現在市場に出回っている商品をスーパーセブンである、と仮定するならば、スーパーセブンは希少石ではありません。反対に、前回お伝えしたような7つの要素をすべて含み、アメリカのヒーラーが提唱した石と同じ産地(岩石)から採掘された天然石がスーパーセブンである、と仮定するならば、スーパーセブンは希少石、という事になります。

ところが私は、後者の条件を満たしたスーパーセブンを、まだ一度も見たことがありませんし、所持している業者さまに行き当ったこともありません。もし後者のスーパーセブンが本当に市場に流通しているなら、これだけ探し続けている私の目や耳に、一度くらいはその存在を証明する情報の切れ端が入ってきても良いはずだと考えているのですが、一向にその気配がないのです。


私は鑑別という方法論を客観的な証明材料のひとつとして用いますが、スーパーセブンについては、これまでに46個の商品を鑑別してきました。もちろん私が鑑別したわけではなく、プロの方に調べて頂いたものが46個です。とは言っても、スーパーセブンであるかどうかを鑑別するわけではありません。その石に含まれている内包物がどのようなものであるかを調べて頂き、7つの要素のうち何種類が含まれた商品であるかを検証した石の数が46個、ということになります。

鑑別の結果は以下の通りです。

2種類含まれていた     9個
3〜4種類含まれていた  36個
5種類含まれていた     1個


※この間別結果は、商品として販売されていたスーパーセブンを私自身が購入するか、もしくは「購入したけれどもどうしても不安」とのご相談を閲覧者の方から受け、一時的に商品をお預かりして鑑別、検証したものです。販売価格は数百円から、一番高いもの(ご相談をうけた商品となります)で2万円前後でした。

その他にも、スーパーセブンを商材として取扱われている複数の業者さまに対して「一般的に説明されている7つの要素が全て含まれていて、産地がしっかり確認された「スーパーセブン」を所持されるか、もしくはご覧になったことがありますか?」と問合せさせて頂きましたが、答えはいずれもNO。

「証明するつもりもさせるつもりもないが自分は持っている」と主張された業者さまならありましたが、これは論外です。特にその方は内包物をご自身で確認する気持ちも知識もまったくお持ちではなく「私があると思っているんだからある」という感情論のみでお話されていました。天然石から利益を得ている業者さまの言い分としては不十分だと思いますし、その言葉だけを理由に「存在した」とご報告することもできません。



■「要素だけ」ならスーパーセブン?

そんな中、最近になって私は、見ようによっては(スーパーセブンに含まれるとされている)7つの要素が含まれていると言えなくもない天然石、を偶然入手しました。これは、今年のツーソンショーに行かれた方が、以前私から受けた問合せを覚えてくださっていて、たまたま見つけたそれらしき石をいくつか見繕ってきてくださったものです。もちろんこれらはスーパーセブンとして販売されていたわけではありませんし、産地とされている場所も違います。

その方のお話では、最初に見かけてから数日たっても売れ残っていたので試しに買ってきた、とのことで、ツーソンではやはり、色むらのあるアメジストか、黄色味がはっきり確認できるものについては、カコクセナイト(アメジストやスモーキークォーツにゲーサイトが含まれた石)として販売されていたとのことでした。現在検証中のため手元にないのですが、現物が私の手元に届き次第、写真とともにこの場でご報告させていただければ、と考えています。

ただひとつご注意いただきたいのは、私が入手したこの「スーパセブンもどき」の天然石を理由に「ほら、やっぱりスーパーセブンはあるじゃないか」と短絡的な主張することは不可能だ、ということです。




■いいとこ取りの切り張りされた理屈

天然石を商材として扱われている業者さまとお話をさせて頂く中で常々感じることは、業者さまが提示される「理屈」が、多くの場合いいとこ取りの切り張りである、という事です。

例えば販売時にはパワーストーン的な意味合いをにおわせておきながら、問合せを受けた際には「素材としてしか販売していない」「パワーストーンとして販売しているわけではない」「石はただの石でしょう」などとパワーストーン的側面を全否定するようなと反論されたり、宝石学や鉱物学の範疇にある説明や名称を利用して販売をしておきながら、疑問を感じた名称に対して質問をすると、天然石ビーズの業界に宝石学や鉱物学の理屈を持ち込むのは馬鹿げていると一蹴されたり。

主張や理屈に一貫性がなさ過ぎるのです。その時々で一番都合のよい視点から見える理屈を寄せ集め、都合の良いところばかりを切りとってつぎはぎし、残った「都合の悪い部分」は上手く隠して商売をされているように見えてしまうことも多々あります。

今回私が入手した「要素だけならスーパーセブンと呼べなくもないもどき石」の存在を公開することが、またそのような切り張りの理屈に使われてしまうのではないか、との懸念もあったのですが、もし私が記事で取りあげた石を元にスーパーセブンの存在を肯定されるなら、同時に裏側にある事実も認めることになるのだと思い至り、掲載に踏み切りました。

この場合の裏側にある事実とは、以下の内容を指しています。


・スーパーセブンと銘打って販売されている商品は、特定の産地から流通しているものではなく希少性もないこと。
・特に2〜4種類の要素しか含まれていないような「スーパーセブン」は、質の低い石として人気がなく、積極的に取引されてこなかった天然石であること。
・当然、それらの石に対する仕入れ値は高くはならないこと。
・万が一高値で仕入れているなら、販売業者さまが現地の業者さまに騙されている可能性が高いこと。
・2〜4種類の要素しか含まないスーパーセブンならば、比較的容易に流通量を増やせるということ。



ちなみにスーパーセブン(もどき)の天然石において、一番ありふれているのは、無色のクォーツにレピドクロサイトが含まれた石となります。市場に出回っている商品には、このタイプが非常に多く見らます。また含まれているレピドクロサイトも、光に透かしても赤味やオレンジ味をほとんど感じない低質のものが多い、と言わざるを得ません。

反対に、一番ありふれていないのは、カコクセナイトを含むスーパーセブン(もどき)です。スーパーセブンに含まれるカコクセナイトとは、アメジストやスモーキークォーツに黄色のゲーサイトがびっしりと含まれ、虎の皮模様のようみ見える天然石を指していますが、このカコクセナイトを含む石については、ブラジル産であると仮定することが可能なのです。

もちろんこれは、流通における主要産地がブラジルである、ということであって、必ずそこでしか採掘できない、という意味ではありませんが、消費者にとって重要となるのは、実際に商品として流通していて、自分が購入する可能性のある石に関する情報である、と私は考えていますので、カコクセナイトが含まれたスーパーセブン(もどき)は、ブラジル産である可能性が高くなる、とお伝えしたいと思います。

その他の要素については、主要な産地を特定することはできません。むしろ産地を特定する必要もないくらい、産出があり得るものです。ですからカコクセナイトが含まれているかいないかは、スーパーセブンと称された商品の購入判断をする上でも、とても重要な材料のひとつとなり得ます。




■スーパーセブンに含まれているとされている要素とはどのようなものか

では最後に、スーパーセブンに含まれるとされている要素とはどのようなものなのかをお伝えして、今日の記事の締めくくりとさせていただきます。


掲載した写真はいずれも、これまで鑑別及び検証をしたスーパーセブンを、宝石用の顕微鏡で見たときのものです。スーパーセブンとして販売されている商品は多くの場合、ただただ黒っぽい石にしか見えないのですが、比較的質の良いものを選んで掲載してみました。写真は私が撮影していますが、内包物に対する鑑別はプロの方に依頼しています。


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次回は、可能性としてのスーパーセブンについて、私の考えを掲載する予定です。また最近お問合せの多い、オークションへの出品予定や時期についてですが、オークション再出品の前に皆様にお知らせしておくべき注意点が色々とあり、それを上手くまとめる事ができずに時間がかかっています。とりあえず出品するだけなら可能ではありますが、それではあまりに不誠実だとの思いが拭えません。なるべくいそぐよう心掛けますので、申しわけありませんが今しばらくお待ちください。(最近お待ちくださいばかりでごめんなさい)



posted by isinohanasi at 22:36 | スーパーセブンは存在しない
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